貧乏リーマン、ケチる

可処分所得が低いなら支出を減らせばいいじゃない、という趣旨で日々の雑記を綴ります

かんぽ生命の不適切販売問題がなぜ起こったのか?それは・・・

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結論

タイトルの結論を最初に述べる。かんぽ生命で不適切販売問題が起こった原因の1つとして大きいのは、「かんぽ生命の商品に競争力がないから」だと考える。以降、具体的にどういうことか説明する。

結論に至った経緯

巷では、ノルマがきつかったから不適切販売問題が起きたといった声もあるが、ノルマはきついのは他の生命保険会社の保険販売員も同じ(保険レディと呼ばれる保険販売員は、24ヶ月間は給与保証があるがそれ以降は給与保証がないため、3年目から収入が落ちる人は珍しくないそう)。

いやいや、ノルマが他の生命保険会社よりもきついんだという反論があるかもしれない。ノルマがきつすぎるからお年寄りを騙して契約せざるを得なかったのだという反論だ。ノルマがきつくてまともに契約が取れない理由の1つに、他社と比べて保険料が高いのでは?と推測し、調査したところかんぽ生命は他社と同じような保証内容で他社と比べて3倍ほどの保険料であることが判明した。これだけ保険料が高いのだから、顧客が他社と比較検討したらかんぽ生命には勝ち目が全くない。

かんぽ生命を契約する人は、付き合いだとかあるいは他社との比較をせずに販売員の言いなりになって契約する人くらいだろう。そうすると新規に契約をする若い人などは皆無だろう。既にかんぽ生命で契約済のお年寄りや中年を中心に再契約等をしないと契約が取れなかったのも頷ける。

調査した契約内容

かんぽ生命でどの保険にし、他社ではどのような保険で比較したのかを下記に述べる。ちなみに他社はライフネット生命保険(ネットで簡単に保険料が算出できるため)とした。

なお、契約者の年齢はかんぽ生命、ライフネット生命保険のどちらも30歳とした。

 

かんぽ生命は、「終身保険 新ながいきくん(定額型)」。この保険は、死亡保険+医療保険がセットになったような保険のようだ。シンプルに死亡保険と医療保険で比較したかったが、そのようなものは見当たらなかった。

死亡保険500万円、入院1日4,500円、60歳払込終了の前提で保険料は月16,780円

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ライフネット生命保険は、かんぽ生命の保険内容と同じようになるように死亡保険と医療保険を組み合わせて保険料を算出した。
死亡保険500万円、入院1日5,000円、60歳払込終了の前提で保険料は月5,985円。ただし死亡保険は90歳を超えて死亡した場合貰えない(かんぽ生命は貰える。これだけはかんぽ生命が有利)。

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以上より、ライフネット生命保険が月5,985円に対して、かんぽ生命は月16,780円と3倍近い保険料であり保険料が他社と比べてべらぼうに高い(=競争力ゼロ)。

今後のかんぽ生命

保険販売員が合法的にかんぽ生命を契約してもらうには、他社と比較させずにすぐに自社で契約させるようにするしかないだろう。ノルマがなくなったとしても、強引な勧誘はなくならないと考える(合法の範囲内での勧誘は今後も継続されるだろう)。

根本の原因は、保険料が高すぎる(=保険商品の競争力がない)ことなので、ノルマ廃止とかではなく保険商品を見直さないと何の解決にもならないだろう。